大きな格子の卓上と、小さく現れるマルトや犬を描いた室内。
何が描かれているか
大きな格子のテーブルクロスが手前を占め、左側にマルトが座っています。カップやポット、そばの犬も、食卓の色と模様の中に置かれています。1915年の《コーヒー》は、飲み物を囲む場面でありながら、人物を画面の中央へ大きく見せる絵ではありません。斜めに広がる卓上と、その周囲のわずかな空間が、部屋の気配を伝えています。
作品の見どころ
卓上を目でたどると、格子の線が画面の奥へ視線を運びます。ところが食器や人物の位置を探すうちに、奥行きを測ることより、色と模様の組み合わせに注意が向きます。画面の端で小さく現れる犬も見てみましょう。人、食器、布が同じ場面にあり、それぞれを一つの主役へ従わせず、見る人が順に見つけられる構図になっています。
制作背景
テート所蔵の油彩画です。NGVのボナール展解説は、マルトと犬、格子のテーブルクロスに注目しています。《田舎の食堂》や、後年の《庭に面した食堂》と比べると、食事の場所が長く主題になったことが分かります。同じ食卓でも、窓や庭が大きく開く場面とは、ここでの卓上の迫り方が違います。身近な部屋が、色の配置によって別の見え方をする一枚です。
出典・画像について
画像:ピエール・ボナール《コーヒー》/Pierre Bonnard / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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この画家について本で読む
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高橋明也 監修・著/島本英明 著 / 東京美術
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