何が描かれているか
赤みのある服に白い水玉が並び、女性の横顔が上の方に小さく現れます。服の面積が大きいため、初めは人物より模様のまとまりに目が向くかもしれません。周囲の緑や足元の小さな動物も、奥行きを細かく説明する形ではなく、色と輪郭の組み合わせとして置かれています。服と背景の境目を追うと、人が庭の模様へ溶け込むように見えます。
作品の見どころ
四面からなる1891年の《庭の女たち》の一つで、オルセー美術館に所蔵されています。ボナールが取り組んだのは、独立した絵を額に入れる仕事だけではありません。屏風のように室内で使う装飾にも関心があり、この組物でも細長い面の形が構図を決めています。人物を中央へ整然と立たせず、服の広がりを強く見せる配置が特徴です。
制作背景
技法は膠を用いたディステンパーです。作品は同年のアンデパンダン展に出品されました。猫と座る女性、格子柄の服、肩掛けを着た女性の三面と並べて見ると、人物の姿勢と衣服の柄がそれぞれの面のリズムを作ると分かります。水玉だけを数えるのではなく、赤い服全体がどのくらい画面を占めるかを見ると、装飾としての働きをつかめます。