何が描かれているか
中央では聖母が幼子を抱き、三人の王が贈物を持って礼拝する。粗末な小屋の入口から、半裸の不思議な人物と群衆がのぞく。
左右の翼には注文主夫妻が守護聖人とともにひざまずく。閉じた外側には、灰色の調子で聖グレゴリウスのミサが描かれる。中央の白い布と幼子が明るい焦点となり、左右の寄進者像と翼の風景が礼拝の場を広げる。
作品の見どころ
豪華な衣と金属の贈物に対し、小屋は崩れかけている。救いの誕生を示す中心へ、不穏な人物や暴力の気配が入り込む。
開いた内側と閉じた外側で、色と時間が切り替わる。三連画を一枚の場面ではなく、開閉する礼拝画として見る。贈物の細工を見た後に小屋の隙間や遠景へ目を移すと、祝福の場面へ不安な細部が混じるのが分かる。
制作背景
1494年頃、アントウェルペンのペーテル・スヘイフフェとアフネーセ・デ・グラムの注文で制作された。プラド美術館がP002048として所蔵する。
技術調査は、注文主像が後から追加されたのではなく、全体と同時に描かれたことを示す。注文主が特定できるため、翼に描かれた夫妻を匿名の見物人ではなく、祈りの場へ参加する依頼者として見られる。