1500年頃
50歳前後

幼子おさなごキリストを背負う聖クリストフォロス

画家 ヒエロニムス・ボス →
Saint Christopher Carrying the Christ Child / ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館
大きな身体の聖人が、小さな幼児を背負って水を渡る。大人と子どもの大きさの差、その身体を支える杖を追うと、物語の重さが見えてくる。

何が描かれているか

聖クリストフォロスが、幼子キリストを背負い、長い杖をついて水を渡る。赤い衣が背中から広がり、足は水の中にある。背後には岩場と木、水辺の遠景が続く。
大きな聖人の肩の上に小さな幼児が乗り、人物の近くにも細かな生き物や建物が描かれている。中央の身体を見たあと周囲へ目を広げると、風景に隠れた小さな形が見つかる。

作品の見どころ

背中から杖へ、杖から水の中の足へと線を追ってみたい。身体の傾かしきと手足の位置をたどることで、人を運びながら進む動きが分かりやすくなる。
赤い衣の広がりと、背後の青緑の風景を見比べるのもよい。人物だけを切り離して眺めず、前景の水から遠くの土地へ目を移すと、大きな身体が広い景色の中に置かれていることが分かる。

制作背景

聖人伝では、渡し守のクリストフォロスが幼児を運ぶと、その重さは世界を背負うほどだったと語られる。ここでの幼児はキリストである。実際に起きた出来事の記録ではなく、伝承を描いた場面として紹介する。
所蔵館は1500年頃の油彩ゆさい板絵として記録する。この作品には近年の修復記録もあるため、掲載画像と作品番号を照合した。大きな祭壇画さいだんがとは違う、一人の聖人を中心にしたボスの画面を見る入口になる。

作品情報

材質・技法
油彩、板
所蔵
ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館
目録番号
St 26
位置づけ
聖人伝の一場面を、水と岩の風景の中へ置いた宗教画。

出典・画像について

画像:Jheronimus Bosch《幼子キリストを背負う聖クリストフォロス》/幼子キリストを背負う聖クリストフォロス — Jheronimus Bosch / Wikimedia Commons / Hieronymus Bosch
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-08 確認)
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。