1485–1490年頃
30代後半頃

守銭奴の死

画家 ヒエロニムス・ボス
Death and the Miser / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
死が迫る寝台で、天使は十字架を、悪魔は金袋を示す。人生の最後に何を選ぶかを一室へ凝縮した。

何が描かれているか

狭い寝室で男が寝台に起き上がり、扉から入る骸骨の死が矢を向ける。天使は窓の十字架を示し、悪魔は金袋を差し出す。
手前では同じ男と考えられる人物が箱へ金貨を入れる。武器や衣服も散らばり、過去の執着と現在の選択が一室に重なる。寝台を囲む斜めの光と身振りを追うと、男の注意が十字架と金袋のどちらへ向くかが焦点だと分かる。

作品の見どころ

死、天使、悪魔の三方向から男へ視線と身振りが集まる。最期の一瞬を、善悪の選択がまだ揺れている場面として見せる。
高い縦長画面は、失われた祭壇画さいだんがの一部だった可能性がある。小さな場面を上へ積み、人生と死を時間順ではなく同時に見る。上の死の場面から下の金庫へ目を移すと、最期の判断と、それまでの金への執着が一本につながる。

制作背景

ナショナル・ギャラリー・オブ・アートは1485年から1490年頃、目録番号1952.5.33として所蔵する。画像はパブリックドメインで公開されている。
『往生術』と呼ばれる、キリスト教徒がよく死ぬための教えと関係づけられる。ただし失われた全体の構成は確定していない。元の全体が失われているため、現在の縦長画面だけから祭壇画の配置や物語の順序を断定しない。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート
目録番号
1952.5.33

出典・画像について

画像:Hieronymus Bosch守銭奴の死》/Hieronymus Bosch, 守銭奴の死, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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