何が描かれているか
左翼には神がアダムへエヴァを示す楽園、中央には裸の人々、巨大な果実、鳥、透明な球体が広がる。右翼は火と怪物に満ちた地獄である。
扉を閉じると、灰色に近い色で世界の創造が見える。開閉によって、静かな球体から色鮮やかな人間世界へ大きく変わる。三面を通して水、動物、人物の群れが反復し、似た形が楽園から地獄へ次第に不穏に変わる。
作品の見どころ
中央は多くの人が楽しむように見える一方、果実や球体は壊れやすい。魅力と不安が同時にあるため、単純な祝祭か警告かを決めにくい。
右翼では楽器が拷問具になり、日常の物が異様な大きさへ変わる。怪物の奇抜さだけでなく、左から右への変化を追うと全体が見える。中央だけを拡大して眺めず、左右の翼と閉じた外側まで往復すると、色彩と意味の落差が見えてくる。
制作背景
プラド美術館は1490年から1500年とし、P002823として展示する。16世紀初めまでにナッサウ家の宮殿で見られた記録がある。
全体を人類の運命とする読みは有力だが、中央場面の意味、最初の注文主、用途には議論がある。作者の意図を一文で断定しない。制作事情が十分に残らないからこそ、後世の題名を作者自身の説明とみなさず、画面から確かめられる範囲を守る。