何が描かれているか
三枚の板に、それぞれ聖人と岩や建物のある風景が描かれる。所蔵館は、左を聖アントニウス、中央を聖ヒエロニムス、右を聖アエギディウスと説明する。
中央の人物は岩や崩れた建物の間にひざまずく。左には暗い空と火の光、右には小さな人物と地形があり、同じ横長のつながりの中でも明るさや細部が変わっている。
作品の見どころ
まず聖人たちの身体の位置を比べてみたい。周囲の風景は広く、人物だけを大きく見せる画面ではない。祈る姿を見つけてから、近くの生き物や道具へ目を広げると読みやすい。
中央の岩の大きな形と、そこに散らばる小さな物を見比べるのも一つの入口になる。細部に目を寄せたあと全体へ戻ると、人物が風景に包まれていることが分かる。
制作背景
隠修者とは、人の多い場所を離れ、祈りを中心に暮らす修道者のこと。アカデミア美術館は1495〜1505年頃と記録しており、年代には十年ほどの幅がある。
館の解説は、現在一組になっている三枚が、最初から同じ三連祭壇画として計画されたかには疑問が残るとする。現在の展示形式をそのまま制作時の形と断定せず、三人の聖人を描いた板絵として紹介する。