何が描かれているか
聖ヒエロニムスが岩のそばで身を低くし、祈る姿を見せる。人物の周囲には赤い衣、木や岩、小さな生き物があり、後ろには遠い土地の眺めが続く。
人物は画面の中央近くにいるが、画面全体を占めるほど大きくはない。前景の岩や木の形が大きく、そこから遠くの明るい風景へ視線が移るように描かれている。
作品の見どころ
初めは祈る人物だけを探し、その後に衣と岩の位置を見比べてみたい。身体の低い姿勢と周囲の大きな形を一緒に見ると、人物が自然の中に置かれていることが分かる。
怪物の多い祭壇画と見比べると、この作品では祈る一人を追いやすい。細部の意味をすべて解くことから始めず、近くの暗い部分と遠くの明るい部分の違いを見ることもできる。
制作背景
ゲント美術館は1485〜1495年頃とする。ヒエロニムスは4世紀に生きたキリスト教の聖人で、この作品では人々から離れて祈る姿として描かれている。
館は2015〜2016年の修復と調査にもとづき、ボス本人の作品として紹介する。本人作か工房作かの判断を、画像が似ているという理由だけで決めず、現在の所蔵館の説明を確認して加えた。