何が描かれているか
古い木と、その周囲にいるフクロウやほかの鳥が描かれる。幹には穴があり、枝はさまざまな方向へ伸びる。遠くには小さな人物や土地の線も見える。
茶色いインクの線が重なり、木の幹の暗いところと、細い枝が描き分けられている。色を塗り分けた絵画とは違い、線の密度によって明るさが変わる。
作品の見どころ
まず鳥の姿を一つずつ探し、その後に止まっている枝へ視線を戻してみたい。鳥だけを数える見方から、木全体の形を見る見方へ移ると、画面のつながりが分かる。
近くの太い幹と遠くの細い線も見比べたい。紙の白い部分を残しながら線を加えることで、木や鳥の間の空間が見える。絵具の面とは違う、素描の組み立て方を見られる。
制作背景
所蔵館は1505〜1515年頃、ペンと褐色インクによる紙の作品と記録する。素描とは、線を中心に描く作品のこと。この一枚は、絵画の準備のためだけに描かれたものとは説明されていない。
館は独立した素描として位置づけている。フクロウの意味を一つに固定して読むより、まず実際の鳥、枝、幹の描き分けを見たい。宗教画の細部に現れる生き物を、単独の紙の作品でも描いたことが分かる。