何が描かれているか
中央にキリストが立つ小円があり、その周囲へ怒り、嫉妬、貪欲など七つの大罪の日常場面が輪のように並ぶ。
四隅の円には死、最後の審判、地獄、天国が描かれる。上下の帯には罪への警告となるラテン語がある。中央の目から外側の四隅へ視線を広げると、日常の罪と死後の行方が一枚の表のように結ばれている。
作品の見どころ
罪を怪物ではなく、食卓、商売、家の争いなど身近な行動として描く。見る人は円を回りながら、自分の日常へ置き換えて考える。
中心の文字は『神は見ている』と警告する。画面全体が一つの大きな目のように組み立てられている。円を時計回りに追い、各場面の身振りと道具を見比べると、抽象的な罪が生活の場面へ置き換わる。
制作背景
プラド美術館は1505年から1510年、ポプラ板、P002822としてボス作の展示を続ける。
一方で筆づかいや史料から工房・追随者作とする研究者もいる。帰属論争を省かず、現行の所蔵館表示と異論を併記する。作者名の表示と帰属研究は同じではないため、プラドの現行表示を伝えつつ、異論があることも残す。