何が描かれているか
野外で、椅子に縛られた男の頭を別の男が切る。治療する男は逆さの漏斗をかぶり、頭から石ではなく花のような物を取り出す。
修道士が水差しを持ち、女性は頭に本を載せて見守る。円形の場面の外側には金色の文字が巡る。四人の頭部が小さな輪を作り、その中心に手術の手と取り出された花が集まる。
作品の見どころ
当時は愚かさを頭の中の石にたとえ、それを取る偽治療の話があった。患者だけでなく、漏斗の医者と奇妙な見物人も風刺の対象になる。
円形の絵を黒地と金文字で囲み、紋章や写本のように見せる。高級そうな形式と愚かな行為の落差が強い。漏斗、本、水差しという不自然な道具を順に比べると、患者だけでなく知識を装う側への皮肉も感じられる。
制作背景
プラド美術館は1501年から1505年、バルト海産オーク板の油彩、P002056として所蔵する。
文字遊びと図像を結びつけた作品だが、登場人物それぞれの意味には解釈の幅がある。文字の意味や各人物の役割には異説があるので、当時の風刺という大枠と個別の読みを分けて紹介する。