1501–1505年
50代前半頃

愚者の石の切除

画家 ヒエロニムス・ボス
The Extraction of the Stone of Madness / プラド美術館(マドリード)
頭から『愚かさの石』を取る偽治療を、文字と円形画面で風刺する。患者だけでなく治療する側の愚かさも問う。

何が描かれているか

野外で、椅子に縛られた男の頭を別の男が切る。治療する男は逆さの漏斗をかぶり、頭から石ではなく花のような物を取り出す。
修道士しゅうどうしが水差しを持ち、女性は頭に本を載せて見守る。円形の場面の外側には金色の文字が巡る。四人の頭部が小さな輪を作り、その中心に手術の手と取り出された花が集まる。

作品の見どころ

当時は愚かさを頭の中の石にたとえ、それを取る偽治療の話があった。患者だけでなく、漏斗の医者と奇妙な見物人も風刺の対象になる。
円形の絵を黒地と金文字で囲み、紋章や写本のように見せる。高級そうな形式と愚かな行為の落差が強い。漏斗、本、水差しという不自然な道具を順に比べると、患者だけでなく知識を装う側への皮肉も感じられる。

制作背景

プラド美術館は1501年から1505年、バルト海産オーク板の油彩ゆさい、P002056として所蔵する。
文字遊びと図像を結びつけた作品だが、登場人物それぞれの意味には解釈の幅がある。文字の意味や各人物の役割には異説があるので、当時の風刺という大枠と個別の読みを分けて紹介する。

作品情報

材質・技法
バルト海産オーク板に油彩
所蔵
プラド美術館
目録番号
P002056

出典・画像について

出典:プラド美術館 P0020562026-09-10 確認)
画像:Hieronymus Bosch愚者の石の切除》/Hieronymus Bosch, 愚者の石の切除, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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