チェステッロの受胎告知
画家 サンドロ・ボッティチェリ →Annunciazione di Cestello (Cestello Annunciation) / ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
天使ガブリエルと聖母マリアが、広い床をはさんで向き合う。二人の手は触れないが、互いへ伸びる曲線が会話を見える形にしている。まず天使の腕からマリアの手までを追い、その後に窓の外へ視線を移したい。
何が描かれているか
天使ガブリエルが、マリアにキリストを身ごもることを告げる。マリアは本から離れて身を引き、手を差し出し、驚きと受け入れを一つの姿勢で表す。
奥には遠い風景と囲まれた庭が見える。所蔵館は、この閉ざされた庭をマリアの純潔の象徴と説明している。
作品の見どころ
天使の指とマリアの手は、触れそうで触れない。二人の間の空白と曲がる身体が、言葉を受け取る一瞬の緊張を伝える。
床や壁の直線は遠近法によって奥へ進み、衣や身体は互いへ曲がる。整った建築空間と感情の動きが、同じ画面で対照を作る。背景へ進む直線と、手前で向き合う人物の曲線を分けて追うと、奥行きと緊張を同時に作ったことが分かる。
制作背景
1489年、ベネデット・グアルディが、フィレンツェのチェステッロ修道院にある一族の礼拝堂のために注文した。縦150センチ、横156センチの板絵である。題名の「チェステッロ」は、この最初の設置場所に由来する。
額には『ルカによる福音書』のラテン語が記される。サヴォナローラの説教との関係も論じられるが、注文記録と時代背景からの解釈は分けて考える。
サヴォナローラとの関係は所蔵館の解釈です
簡素な空間と抑えた衣装を当時の宗教熱に結びつける説明がありますが、制作事情をサヴォナローラだけで説明しません。
出典・画像について
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:サンドロ・ボッティチェリ《チェステッロの受胎告知》/Sandro Botticelli, Cestello Annunciation, Uffizi, via Wikimedia Commons.
Wikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製とイタリア文化財制度の扱いには法域差があります。
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