マニフィカトの聖母
画家 サンドロ・ボッティチェリ →Madonna del Magnificat (Madonna of the Magnificat) / ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
円形の画面の中で、聖母マリアが幼いキリストに導かれながら本へ文字を書いている。人物たちの腕と身体が丸い縁に沿い、中央の本とザクロへ集まる。まず円の外周を目で一周し、そこから書く手へ視線を戻すと、形のまとまりが見えやすい。
何が描かれているか
マリアが聖書の賛歌「マニフィカト」を本へ書き、幼いキリストがその手を導く。周囲の天使は冠を頭上へ掲げ、静かな動作の輪を作る。
キリストの手元のザクロは、赤い種によって将来の受難を予告すると所蔵館は説明する。母子の親しさの中に未来を示す印がある。
作品の見どころ
円形画「トンド」であり、腕、冠、衣の線が円に合わせて曲がる。四角い絵を切り抜いたのではなく、人物が一つの輪でつながるように計画されている。
冠を上げる手、文字を書く手、それに触れる幼児の手が連続する。本の文字も飾りではなく、題名と場面を直接結ぶ中心である。ペン先、本の文字、幼児の指、ザクロを順に追うと、祈りの場面と未来の予告が同じ中心に重なる。
制作背景
1483年頃のテンペラによる板絵で、直径118センチ。家庭の祈りに使われた可能性が考えられる種類だが、最初の設置場所は分かっていない。用途は断定せず、円形の形式と画面設計から考える必要がある。
題名はマリアが書く賛歌の冒頭の言葉に由来する。人物の美しさだけでなく、本と手の動きを見ると、読むことと祈りが重なる。
出典・画像について
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。円外の白地だけを透明化しています。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:サンドロ・ボッティチェリ《マニフィカトの聖母》/Sandro Botticelli, Madonna of the Magnificat, Uffizi. Google Arts & Culture, via Wikimedia Commons.
Wikimedia CommonsのPD-Art複製です。円形作品の外側だけを透明化しています。忠実複製とイタリア文化財制度の扱いには法域差があります。
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