1475年頃
29〜30歳頃

メダルを持つ青年の肖像

画家 サンドロ・ボッティチェリ →
Portrait of a Young Man with a Medal / ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
手の中のメダルは、描かれただけの平たい飾りではありません。

何が描かれているか

赤い帽子と黒っぽい衣の青年が、両手で金色のメダルを持ち、こちらを見ています。背景には遠くへ続く水辺や木々が描かれています。青年が誰なのかは、確定していません。
メダルに横顔を刻まれているのは、フィレンツェの有力者コジモ・デ・メディチです。青年とメダルの人物は別人です。手元の小さな顔が、この絵の意味を考える入口になります。

作品の見どころ

胸の前に出された両手と丸いメダルが、見る人との間に近い距離を作ります。背景の風景はずっと小さく、青年の大きな顔や巻き毛、まっすぐな視線が、手前を占めています。
メダルは単に絵の具で描かれたものではなく、金箔を施した漆喰で作られています。人物や風景を描く平面の絵に、小さな立体が組み込まれ、目で見る手触りの違いも生まれています。

制作背景

所蔵館は1475年頃の制作としています。メダルは1465〜1469年のものをもとにしており、コジモを都市の父として称える政治的な意味を持つと説明されています。飾りだけではない持ち物です。
青年をボッティチェリ本人や特定の家族だと決めつけることはできません。視線とメダルから、都市の有力者の記憶を伝える仕組みを見てみましょう。

作品情報

材質・技法
板にテンペラ、金箔を施した漆喰
所蔵
ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
目録番号
1890 n.1488
位置づけ
人物が未同定の肖像。立体のメダルとメディチ家の記憶。

出典・画像について

画像:Sandro Botticelli《メダルを持つ青年の肖像》/メダルを持つ青年の肖像 — Sandro Botticelli / Diego Delso / CC BY-SA 4.0
画像の出典 / CC BY-SA 4.0(画像情報:2026-10-09 確認)
画像:Diego Delso / Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。現地写真の全フレームを保持、一覧用は等比縮小。 イタリアの文化財制度・施設条件は著作権とは別の論点で、施設の承認は取得していません。
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