キリスト誕生の喜びと、悪が退けられる激しい出来事が同じ画面にある。上空では天使が輪になって踊り、地上では天使と人が抱き合い、下では小さな悪魔が地面の裂け目へ逃げ込む。上、中央、下の三段に分けて見ると、祝福と不安が共存する構成を追いやすい。
何が描かれているか
中央の聖母マリアとヨセフが幼いキリストを囲み、羊飼いや博士たちが集まる。空では天使が輪を作り、手前では天使と人が抱き合う。
足元では悪魔が自分の武器に刺され、地面の裂け目へ消える。穏やかな降誕だけでなく、悪の敗北と人々の和解を一画面に重ねている。
作品の見どころ
ボッティチェリ自身によるギリシャ語の署名と年記がある。「イタリアの混乱」は侵入や内乱と関連づけられるが、全文を一つの事件だけには対応させられない。
鮮やかな色、踊る天使、抱擁には喜びがあり、その下で悪魔が消える。現実の不安と、混乱の後に平和が訪れる希望を同時に表している。中心の降誕から上下へ視線を移すと、祝福が続く空と、悪が終わろうとする地上という別の時間が開く。
制作背景
1500年、縦108.6センチ、横74.9センチのキャンバスに油彩で描かれた。伝統的な降誕図へ、天使の踊りや逃げる悪魔を加えている。
サヴォナローラの思想と結びつけて論じられるが、画家が信奉者としてどう行動したかを示す直接資料は十分ではない。画面と人物への所属は分けて考える。
銘文とサヴォナローラの関係には留保があります
銘文の「イタリアの苦難」は侵攻と内乱を指す可能性が高い一方、ボッティチェリとサヴォナローラの関係を直接示す資料は十分ではありません。
作品情報
銘文
ギリシャ語の署名・年記・イタリアの混乱への言及
出典・画像について
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:サンドロ・ボッティチェリ《神秘の降誕》/Sandro Botticelli, Mystic Nativity, National Gallery, London, via Wikimedia Commons.
Wikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
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