1480–1485年頃
34〜40歳頃

パラスとケンタウロス

画家 サンドロ・ボッティチェリ
Pallade e il centauro (Pallas and the Centaur) / ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
武器を持つ女性が、半人半馬のケンタウロスの髪をつかんでいる。力ずくの戦闘というより、荒々しい存在が静かな人物に抑えられた瞬間に見える。ただし、女性が誰で何を意味するかには複数の説がある。まず、二人の視線、手の位置、身体の向きを比べたい。

何が描かれているか

右の女性は植物模様の衣と長い武器を持つ。一般に女神パラス・アテナと呼ばれるが、古代ローマの女性戦士カミラとする説もあり、同定は確定していない。
左のケンタウロスは弓を持ち、女性に髪をつかまれて頭を下げる。激しい戦闘よりも、野性的な力が制御された状態に見える。

作品の見どころ

理性が本能を抑える寓意などと解釈されてきたが、意味が画面に明記されているわけではない。女性とケンタウロスの対比から導かれた一つの読みである。「女性は理性、ケンタウロスは本能」と決めつけず、どの姿勢や動作がその読みを支えるかを確かめたい。
まっすぐな姿勢と曲がった身体、細かな衣と獣の毛、落ち着いた顔と苦しげな顔が対になる。髪をつかむ手が、二人の関係の中心になっている。

制作背景

ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ・デ・メディチの古い所蔵品として知られる。結婚祝いの注文だったという説は可能性の一つで、確定していない。
縦207センチ、横148センチのキャンバスにテンペラで描かれた。二人だけの場面だが、実物は人より大きく、身体の緊張が画面を満たす。
人物名と寓意には複数の説があります
女性像はパラス・アテナまたはカミラと考えられます。理性が野性的本能を抑える寓意や1482年の婚礼注文も、確定した事実ではありません。

作品情報

寸法
207 × 148 cm
材質・技法
カンヴァスにテンペラ
所蔵
ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
女性像
パラス・アテナまたは女戦士カミラ
旧蔵
ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ・デ・メディチ

出典・画像について

出典:ウフィツィ美術館 作品ページ2026-09-06 確認)
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:サンドロ・ボッティチェリパラスとケンタウロス》/Sandro Botticelli, Pallas and the Centaur, Uffizi. Google Arts & Culture, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(法域注意)(画像情報:2026-09-06 確認)
Wikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製とイタリア文化財制度の扱いには法域差があります。
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