愛の女神ヴィーナスは目を覚ましているが、戦いの神マルスは武具を外して眠り込んでいる。小さなサテュロスたちが兜や槍で遊んでも、マルスは起きない。「愛が戦いに勝つ」という関係を、勝負の場面ではなく二人の対照で見せた絵である。
何が描かれているか
左のヴィーナスは衣をまとって横たわり、右のマルスを見る。裸に近いマルスは眠り、四人のサテュロスが武具を運び、兜や法螺貝で遊ぶ。
二人の視線は交わらない。目覚めと眠り、衣服と裸、静けさと悪戯が対になり、戦争の道具は子どもの遊び道具のように扱われる。
作品の見どころ
愛が戦争を征服した姿と読まれる一方、性的な意味や豊かさを願う意味も紹介される。これらは解釈で、一つの答えが明記されているわけではない。
戦いの神が武装を失い眠るため、落ち着いたヴィーナスが強く見える。神々を威厳だけでなく、眠りや悪戯のある場面に置いた作品である。左から右、右から左へ見直すと、武具を失った戦いの神と、それを見守る愛の女神の関係が強くなる。
制作背景
横長の形から、邸宅の壁を飾るスパッリエーラだった可能性がある。結婚に関係する注文とも考えられるが、注文主と用途は確定していない。
卵テンペラと油絵具を併用し、おそらくポプラ板に描かれた。縦69.2センチ、横173.4センチの低い画面に二人とサテュロスをつなぐ。
最初の用途は確定していません
婚礼用の壁面装飾スパッリエーラだった可能性が高いとされますが、注文主と最初の設置場所は分かっていません。
出典・画像について
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:サンドロ・ボッティチェリ《ヴィーナスとマルス》/Sandro Botticelli, Venus and Mars, National Gallery, London, via Wikimedia Commons.
Wikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
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