ヴィーナスとキューピッドの寓意
画家 ブロンズィーノ →An Allegory with Venus and Cupid / ナショナル・ギャラリー、ロンドン
美しい人たちを眺めていると、足や手の位置がおかしく見えてきます。近づくほど謎が増える、恋の寓意です。
何が描かれているか
愛の女神ヴィーナスとキューピッドが身体を寄せ、その周りに多くの人物が集まっています。女神はリンゴを持ち、片手で矢をつかんでいます。そばの少年は薔薇をまき、少女のような顔の人物は蜂の巣を差し出しています。
作品の見どころ
その少女を顔から足元まで辿ってみてください。可愛らしい見かけに、異様な身体が続いています。少年の足元にも棘があります。つややかな肌や花の楽しさに、痛みや欺きの手がかりが混ざり、見ていたはずの恋の場面が揺らぎます。
制作背景
1545年頃の作品です。上の翼ある老人は「時」と解釈されますが、ほかの人物や、布を開くのか隠すのかには議論が残ります。フランス王への贈り物だった可能性もあるものの、確証はありません。謎を一つの答えで閉じず、細部を見つけるところから楽しめる絵です。
出典・画像について
画像:Agnolo Bronzino《ヴィーナスとキューピッドの寓意》/ヴィーナスとキューピッドの寓意 — Agnolo Bronzino / Bronzino / Public Domain Mark 1.0
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