1564年
30代後半頃

ゴルゴタの丘への行進

画家 ピーテル・ブリューゲル(父)
The Procession to Calvary / 美術史美術館(ウィーン)
キリストを群衆の中へ小さく置き、聖書の事件を同時代の行列のように見せる。主役を探すこと自体が鑑賞になる。

何が描かれているか

広い丘陵を、兵士、農民、騎馬の人々を含む大群衆が右へ進む。中央近くでキリストが十字架を担い、地面に倒れている。
手前右では聖母とキリストに従う人々が悲しむ。遠い丘には車輪や絞首台が立ち、処刑の場所が日常の風景へ入り込む。行列の大きな弧と手前の人物群が別方向を向き、主役を見つけにくい広がりを意図的に作る。

作品の見どころ

主役のキリストを大きくせず、群衆の中へ小さく置く。見る人は題名を知っていても、画面を探さなければ事件を見つけられない。
高い視点と曲がる行列が、左から中央、右奥へ目を運ぶ。群衆を見ることと、一人の受難を見失うことが同時に起きる。中央の十字架を見つけた後で周囲の無関心な群衆へ目を広げると、事件を見失うという主題を体験できる。

制作背景

1564年制作。美術史美術館がGG 1025として所蔵する。
聖書時代の衣装だけでなく16世紀ネーデルラント風の人々を混ぜ、遠い出来事を同時代の社会へ引き寄せる。同時代風の風景や服装は物語を身近にするが、画面を特定の一事件の写実的記録とはみなさない。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
美術史美術館
目録番号
GG 1025

出典・画像について

出典:美術史美術館 ブリューゲル展資料2026-09-10 確認)
画像:Pieter Bruegel the Elderゴルゴタの丘への行進》/Pieter Bruegel the Elder, ゴルゴタの丘への行進, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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