1560年
30代頃

ウサギ狩り

画家 ピーテル・ブリューゲル(父) →
The Rabbit Hunt / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
白黒の線がつくる広い風景と、手前の小さな狩りの場面を見比べてみましょう。

何が描かれているか

丘の斜面で、猟師がウサギに向けて石弓を構えています。近くには犬が立ち、木の向こうには槍を持った別の男性がいます。その小さな出来事の背後に、川と町と高い丘が遠くまで広がる版画はんがです。
最初に猟師を探し、それから画面の左へ視線を動かしてみてください。近くの太い木と、遠くの細かな建物の描き分けによって、白黒の紙の中に広い距離が感じられます。

作品の見どころ

この技法はエッチングと呼ばれます。金属板を覆う膜に針で線を描き、腐食によって溝をつくり、そこにインクを入れて紙へ刷ります。柔らかく流れる線と細かな重なりが、葉や地形、空の明るさを表しています。
画面の明るいところと線の密なところを比べると、絵具の色がなくても光の差が見えてきます。

制作背景

ブリューゲルは多くの版画の下絵を描きましたが、所蔵館は本作を、本人が版を制作した唯一の版画と説明しています。出版者はヒエロニムス・コックで、下絵の作者、版の制作者、出版者を分けて見る必要があります。
二匹のウサギを追う諺との関係も挙げられますが、確定した説明ではありません。槍を持つ男性の目的も明らかではなく、小さな人物の不思議さと広い風景を、両方楽しめる作品です。

作品情報

材質・技法
紙にエッチング
所蔵
メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
目録番号
25.2.11
位置づけ
他者による版刻と区別する本人のエッチング

出典・画像について

出典:Met:The Rabbit Hunt / Met:エッチングの技法(2026-10-09 確認)
画像:Pieter Bruegel the Elder《ウサギ狩り》/ウサギ狩り — Pieter Bruegel the Elder / The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-09 確認)
The Metropolitan Museum of Artの公式CC0画像。
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