1562–1563年
30代後半頃

死の勝利

画家 ピーテル・ブリューゲル(父)
The Triumph of Death / プラド美術館(マドリード)
骸骨の軍勢が身分を問わず人々を襲う。遠景から手前まで逃げ場をなくし、死の普遍性を巨大な群像にする。

何が描かれているか

燃える荒野を骸骨の軍勢が進み、生きている人々を巨大な箱へ追い込む。王、兵士、農民、巡礼者も同じように襲われる。
右下では恋人たちが音楽に気を取られ、その背後で骸骨が演奏する。左下では王の金貨を骸骨が奪う。地平線の火から手前の群衆まで、骸骨の動きが途切れず続き、逃げ道のなさを画面全体で示す。

作品の見どころ

遠景から手前まで戦いを連続させ、画面内に安全な場所をほとんど残さない。赤い火と暗い土が終末の空気を作る。
中世以来の『死の舞踏』を思わせるが、単なる教訓図ではない。細かな個人の反応を描き、死が身分を区別しないことを見せる。まず大きな軍勢を見てから王や恋人など個々の場面を探すと、普遍的な死と一人ずつの反応が重なる。

制作背景

プラド美術館は1562年から1563年、板に油彩ゆさい、P001393として所蔵する。修復で変色したニスと後世の塗りを除き、明暗と細部が回復した。
戦争や疫病という特定の一事件を直接描いたと断定せず、死の普遍性を扱う寓意として説明する。修復後の色と細部を前提に見つつ、特定の戦争や疫病の記録画だという根拠のない限定は避ける。

作品情報

材質・技法
板に油彩
所蔵
プラド美術館
目録番号
P001393

出典・画像について

出典:プラド美術館 P0013932026-09-10 確認)
画像:Pieter Bruegel the Elder死の勝利》/Pieter Bruegel the Elder, 死の勝利, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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