金色の背景の前に、キリストと聖母が半身で並ぶ。
何が描かれているか
金色の背景の前に、キリストと聖母が半身で並ぶ。左のキリストは片手を上げ、右の聖母は手を合わせて顔を寄せる。二人の視線と手の位置によって、声のない対話が生まれている。室内や風景を描かず、人物だけを近くに置いた画面である。所蔵館は、聖母が人々のために息子キリストへ取りなす場面と説明している。
作品の見どころ
金地は実際の部屋を示さず、所蔵館は永遠の天上空間を表すと解説する。その平らな背景に対し、顔の陰影、髪の細い線、青い布の折り目には立体感がある。二人はほぼ同じ高さに置かれるが、手の向きが異なるため、左から右へ、また右から左へと視線が行き来する。キリストの顔と聖母の顔を交互に見ると、近さを表す構図が分かる。
制作背景
フィラデルフィア美術館は制作を1427~1432年頃、作者をカンピン(「フレマールの画家」とも呼ばれる)と記す。油彩と金を用いた板絵である。キリストと聖母を別々の肖像のように描きながら、一枚で関係を示す構成に注目したい。作品の意味を読む際は、所蔵館が示す「執り成し」という解釈と、実際に見える手や視線の描写を分けて考えられる。
出典・画像について
画像:Robert Campin / workshop or circle where indicated《キリストと聖母》/Google Art Project / Wikimedia Commons, Public Domain Mark
作品全景を等比縮小して表示。 忠実複製・所蔵館規程の扱いには国や地域による差があります。
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