1435年頃
年齢不詳

男性の肖像

画家 ロベルト・カンピン →
A Man / ロンドン・ナショナル・ギャラリー
赤い頭巾を巻いた男性の顔と肩が、黒い背景から浮かび上がる。

何が描かれているか

赤い頭巾を巻いた男性の顔と肩が、黒い背景から浮かび上がる。身体は少し斜めを向き、視線は画面の右へ進む。対になる《女性の肖像》と並べると、二人が互いを見ている配置になる。名前は分かっていない。ナショナル・ギャラリーは二人を夫妻と説明するが、出身地は未確定で、服装からトゥルネー周辺の裕福な町の人々だった可能性を示している。

作品の見どころ

頭巾の布は輪の部分に長い布を巻き、肩へ垂らしてある。明るい赤が目を引く一方、顔には細かな陰影が重なる。額のしわ、目尻、顎の下を追うと、形だけでなく肌の色のわずかな変化で年齢が表されていることが分かる。頭は画面の中心から少し外れ、手は描かれない。所蔵館は、下向きの線が重なる構図こうずに、男性の沈んだ印象を見ている。印象は絵の解釈として受け取りたい。

制作背景

所蔵館は1435年頃のカンピン作、作品番号NG653.1とする。対の女性像とは同じ樫の木に由来する板に描かれ、もとは二枚を蝶番でつないでいた可能性がある。ただし、その物証は失われていると同館は留保する。両作の縁には緑の顔料がんりょうが残り、失われた額縁の痕跡と考えられる。一枚で見る場合も、右へ向かう視線の先にもう一枚があったことを思い出せる。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
ロンドン・ナショナル・ギャラリー(NG653.1)
作者表記
ロベルト・カンピン

出典・画像について

画像:Robert Campin / workshop or circle where indicated《男性の肖像》/Wikimedia Commons, Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-25 確認)
作品全景を等比縮小して表示。 忠実複製・所蔵館規程の扱いには国や地域による差があります。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

東京藝大で教わる西洋美術の見かた 基礎から身につく「大人の教養」
佐藤 直樹 著 / 世界文化社
東京藝術大学での講義をもとに、作品の細部や比較図版から鑑賞を学べる入門書です。ロベルト・カンピンを扱う章があります。
楽天ブックスで見る →