ふくよかな男性の肖像
画家 ロベルト・カンピン →Portrait of a Stout Man. Robert de Masmines (?) / ティッセン=ボルネミッサ美術館
短い黒髪の男性を、明るい背景の前に近く描く肖像。
何が描かれているか
短い黒髪の男性が、薄い色の背景を前に大きく描かれる。顔と肩が画面をほぼ満たし、宗教画の端に小さく置かれる寄進者とは違い、この人物自身が主役である。頬、まぶた、鼻のまわりの細かな陰影から、肌の厚みや年齢が伝わってくる。人物は観る人の前に近い距離で現れるが、名前を示す確かな銘文は見えない。
作品の見どころ
明るい背景には物語を示す道具や建物がなく、視線が顔へ集まる。黒髪の輪郭と、赤みを含む肌の色を見比べると、輪郭だけでなく光の差で顔立ちが作られていることが分かる。画面の余白は少なく、肩の広がりが人物をいっそう近く感じさせる。所蔵館は、近くから見ることを想定した精密な肖像だと説明する。背景を簡素にしたからこそ、表情の小さな違いが目立つ。
制作背景
ティッセン=ボルネミッサ美術館は1425年頃の油彩板絵としてカンピンの名で所蔵する。「ロベール・ド・マスミーヌ」という人物名には疑問符を付けている。別の古い素描との比較からその名が提案されたが、同館は似ている点が少ないと記す。ベルリンにも別の版がある。誰を描いたかは確定していないため、このページでも肖像の人物名を断定しない。
作品情報
所蔵
ティッセン=ボルネミッサ美術館(74/1960.1)
出典・画像について
画像:Robert Campin / workshop or circle where indicated《ふくよかな男性の肖像》/Photograph by Sailko, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
撮影: Sailko。全景を等比縮小。派生プレビューもCC BY-SA 4.0で提供します。 忠実複製・所蔵館規程の扱いには国や地域による差があります。
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