聖ヴェロニカ(フレマール祭壇画)
画家 ロベルト・カンピン →Saint Veronica (The Flémalle Panels) / シュテーデル美術館
赤い衣を着た聖ヴェロニカが、白い布を両手で広げる。
何が描かれているか
赤い衣を着た聖ヴェロニカが、白い布を両手で広げる。布の中央にはキリストの顔が現れている。背景には模様のある掛け布が広がり、足元には小さな草花が見える。聖人が布を掲げる動きは静かだが、こちらに向けられた顔の像は画面の中心を占める。ヴェロニカと布に残る顔を一緒に見ることで、人物と聖なる像の二つの主題が重なっていると分かる。
作品の見どころ
赤い衣の大きなひだ、薄い白布、背後の模様を見比べたい。ヴェロニカ自身の顔と、布に表されたキリストの顔では、描かれた場所も役割も違う。布を持つ両手の位置が、観る人の目を顔の像へ導く。縦長の板いっぱいに立つ人物の足元には緑が残り、華やかな背景と地面の細部が一続きになっている。絵の外側を想像する前に、この一枚で見える配置を確かめたい。
制作背景
シュテーデル美術館は1428~1430年頃、カンピン工房の作とする。この板は《フレマール祭壇画》と呼ばれる組作品の一部で、聖母子と三位一体の板も残る。同館は三枚の描き方に明らかな違いがあり、一人の画家だけに帰すことはできないと説明する。工房作とし、各板を誰が描いたかは論争が続く。題名の「フレマール」は古い由来の理解に基づく名称である。
出典・画像について
画像:Robert Campin / workshop or circle where indicated《聖ヴェロニカ(フレマール祭壇画)》/Google Art Project / Wikimedia Commons, Public Domain Mark
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