1601年頃
30歳頃

聖トマスの不信

画家 カラヴァッジョ →
The Incredulity of Saint Thomas / サンスーシ宮殿絵画館(ポツダム)
四人の顔から、キリストが導く手と傷口へ視線を下ろす。

何が描かれているか

復活したキリストが衣を開き、トマスの手を自分の脇腹の傷へ導いている。後ろの二人も頭を寄せ、その様子をのぞき込む。四人の顔と手が狭い範囲へ集まり、見ることと触れることが場面の中心になる。
題材は、復活をすぐには信じられなかった弟子トマスの物語。傷を確かめようとする場面を、遠くから眺める宗教的な出来事ではなく、目の前で起こる身体の動きとして描いている。

作品の見どころ

トマスの額のしわ、開いた目、少し前に出た顔が、注意を傷へ集中させる。後ろの二人も同じ方向へ視線を向けるため、鑑賞する側の目も、自然に中央の手へ引き寄せられる。
暗い背景には場所を説明する建物がない。光は顔、キリストの胸、指を明るくし、身体の重なりを浮かび上がらせる。衣の縫い目や粗い布も、身近な人物のような実感を支える。

制作背景

所蔵するプロイセン宮殿庭園財団は制作を1601年頃とする。掲載するのはポツダムのサンスーシ宮殿絵画館の作品で、同じ主題をもつ模写や別の帰属作品とは分けている。
トマスだけでなく、手を導くキリストの仕草も見たい。疑う人を見せると同時に、確かめる行為へ導く関係を描くことで、信仰の物語を顔、光、接触の表現へ組み立てている。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
サンスーシ宮殿絵画館(ポツダム)
位置づけ
近接した人物の手と視線から、信仰の物語を読む。

出典・画像について

出典:プロイセン宮殿庭園財団/絵画記録(2026-10-09 確認)
画像:Caravaggio《聖トマスの不信》/聖トマスの不信 — Caravaggio / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-10-09 確認)
CommonsのPublic Domain表示の忠実複製。 複製の扱いは国・地域で異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

もっと知りたいカラヴァッジョ
宮下 規久朗 著 / 東京美術
劇的な明暗表現を生み出した背景と、波乱の生涯を作品とともにたどる入門書です。
楽天ブックスで見る →