1599〜1602年頃(諸説)
28〜31歳頃

ユディトとホロフェルネス

画家 カラヴァッジョ →
Giuditta e Oloferne / 国立古典絵画館・バルベリーニ宮
三人の顔と手が、それぞれ何をしているかを追う。

何が描かれているか

若いユディトが、横たわるホロフェルネスの髪をつかみ、剣で首を切っている。右では年配の侍女が布を持って見守る。暗い背景には赤い垂れ幕があり、三人の身体が近い距離へ押し込まれている。
題材は、敵軍の将軍を倒して人々を救う『ユディト記』の物語。すでに首を持って立つ姿ではなく、切断が進む瞬間を選び、将軍の開いた口や緊張した手まで描いている。

作品の見どころ

ユディトは腕を伸ばす一方で、顔や上半身を少し引いているように見える。手の行為と表情が単純には一致せず、侍女の集中した顔と見比べると、それぞれの反応の違いが分かる。
強い光が白い衣や肌を照らし、背後の暗さが身体を際立たせる。剣と腕の方向、寝台の水平、赤い布の曲線が組み合わされ、視線が切迫した出来事へ戻ってくる。

制作背景

現在はローマのバルベリーニ宮に所蔵される。制作年は1599年頃とする資料がある一方、所蔵館の学芸員による近年の講演紹介では1602年頃とされるため、幅を持たせて表示した。
同じ主題の後続作品と比べる入口にもなるが、登場人物を実在の知人や画家本人と断定しない。まず三人の距離と手の働きを見て、聖書の出来事が身体の行為へ変わる表現を読みたい。
資料の留保
制作年には1599年頃と1602年頃の見解がある。バルベリーニ宮所蔵の作品で、別の個人蔵作品や模写とは区別する。モデルの個人名や画家本人の自画像という説は確定扱いしない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
国立古典絵画館・バルベリーニ宮
目録番号
2533
位置づけ
聖書の物語を、行為の瞬間と明暗の対比から読む。

出典・画像について

画像:Caravaggio《ユディトとホロフェルネス》/ユディトとホロフェルネス — Caravaggio / Architas / CC BY-SA 4.0
画像の出典 / Architas / CC BY-SA 4.0(画像情報:2026-10-09 確認)
画像:Architas / Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。取得版は全図の等比縮小。 イタリア文化財制度と施設条件の扱いには法域差があり、施設の承認取得を示しません。
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