幼児を抱く女性の横へ、黄色い服の少女が寄り添う。細かく描いた顔と、色の線を残す衣服を組み合わせた横長のパステル。
何が描かれているか
中央の女性が幼い子どもを膝に抱き、右側には黄色い服の少女が立つ。少女の手は女性の肩へ届き、抱かれた子どもの腕も首元へ伸びる。横長の紙面の中で、三人の手と顔が近くに集まる。
題名は入浴の後だが、浴槽は描かれていない。幼児の身体、白い布、寄り添う少女を見ながら、入浴後の世話の場面として読むことができる。人物の身元は断定できない。
作品の見どころ
顔には目や口、頬の色が細かく描かれる一方、衣服や背景には長い色の線と描き残した紙地が見える。幼児の顔から少女の黄色い服へ目を移すと、仕上げ方の差が分かる。
パステルは、粉状の顔料を固めた棒で色を置く画材。白や青の線は布の上で混ざり切らず、黄色い服には橙色の跡が重なる。肌の仕上げと色の線の扱いを、部分ごとに変えている。
制作背景
クリーブランド美術館は1901年のパステル、紙の大きさ66センチ×100センチと記録する。同館は、カサットが1870年代からパステルを使い、顔を細かく、周りを自由な線で描いたと説明する。
同じ《入浴の後》という題名には1890年代の版画もある。ここで扱うのは目録番号1920.379の横長のパステルである。紙の端や左下の署名も、人物の描かれた部分と一緒に見たい。
出典・画像について
画像:Mary Cassatt《入浴の後(パステル)》/After the Bath, 1901年 — Mary Cassatt / クリーブランド美術館 / Cleveland Museum of Art
Open Access/CC0。作品外の撮影台と影のみ透過。紙の端・署名・紙地を保持し、長辺2200pxに等比縮小。
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