1890〜1891年
46歳頃

母の愛撫

画家 メアリー・カサット
Maternal Caress / シカゴ美術館
抱き合う母子を近くから切り取り、顔と腕のつながりへ視線を集める。母子像を感傷だけでなく身体の動きとして描いた。

何が描かれているか

女性が幼い子どもを抱き、二人が顔を寄せ合う。
衣服、椅子の背、壁紙には小さな模様があり、人物の周りを柔らかな色が囲む。子どもの腕は女性の首へ回り、女性の手は小さな身体を支える。二人の顔が近づく中心部と、周囲に広がる衣服や壁紙の模様を対照して見るとよい。

作品の見どころ

子どもの顔を支えるような身体の重なりと、女性のかしいた頭が、抱き寄せる動きを伝える。
肌の広い無地の部分が、服や壁紙の模様から浮かび上がる。少ない色でも、顔と腕の重なりが読み取りやすい。輪郭りんかく線は顔と腕の重なりを簡潔に示し、衣服や背景には同じ模様を細かく繰り返す。立体感を強めすぎず、触れ合う部分だけを読み取りやすくしている。

制作背景

1890〜1891年の多色版画はんが。1891年のパリ、デュラン=リュエル画廊での展示に向けて作られた10点の連作れんさくに含まれる。
日本の多色木版画を研究し、身近な生活と装飾的な模様を組み合わせた。細い線や色の面を作る銅版画の技法を用い、ルロワとともに刷っている。この題名は母子の親密さを示すが、個人名や具体的な出来事を画面だけから補わない。10点連作の一枚として、家庭の動作を多色版画へ置き換えた作品である。

作品情報

材質・技法
紙に多色アクアチント、ドライポイント、ソフトグラウンド
所蔵
シカゴ美術館
目録番号
1932.1288

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品記録2026-09-12 確認)
画像:Mary Cassatt母の愛撫》/母の愛撫 — Mary Cassatt / Art Institute of Chicago Open Access
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-12 確認)
CC0/Open Accessとして提供された画像です。
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