白い服と花飾りの帽子で、自分をくつろいだ姿に描く。淡い緑の背景と、白に重なる紫の色が響き合う水彩画。
何が描かれているか
カサットが花飾りのある帽子をかぶり、白い服で椅子に座る。身体は斜めに向き、顔も正面を避けて横へ向けられている。片腕を椅子の背に預けた姿に、左右対称のかしこまった構えはない。
背後は淡い緑の面で、部屋の家具や壁の飾りはほとんど説明されない。帽子の赤い花、首元の暗いリボン、椅子の赤茶色が、白い服の周りに小さな色のまとまりを作る。
作品の見どころ
白い服は一色で塗られていない。袖や胸には紫、青、灰色が重なり、肘の周りでは明るい部分と影が入り交じる。顔の肌にも周囲の緑や紫に近い色が見える。
水彩とグアッシュを使った紙上の作品である。グアッシュは下の色を覆うように塗れる不透明な水性の絵の具。服の明るい部分と、色が薄く広がる背景を比べると、紙の上で色を置く方法の違いを追える。
制作背景
メトロポリタン美術館は1878年作と記録する。ドガがカサットを印象派の展覧会へ誘った翌年に当たり、同館は自由な姿勢や色の対比に彼の影響を見ている。
作品は1879年までにルイジーヌ・エルダーの所有になった。後のハヴマイヤー夫人で、カサットの友人・収集家となる人物である。帽子と白い服のこの一枚を、別の時期の自画像と取り違えないようにしたい。
出典・画像について
画像:Mary Cassatt《自画像(1878年)》/Portrait of the Artist, 1878年 — Mary Cassatt / メトロポリタン美術館 / Wikimedia Commons
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