裁縫を続ける女性の膝に、少女が身体を預ける。親子として描かれた二人は、実際には血縁のないモデルだった。
何が描かれているか
青緑の服の女性が、手元を見ながら裁縫をしている。白い服の少女はその膝へ上半身を預け、片手を頬に当ててこちらを見る。女性は少女へ視線を返さず、二人は同じ場所で別々の動きをしている。
後ろには庭の緑が見える窓があり、左の花瓶には黄色い花が挿してある。椅子の縞、窓枠の縦線、二人の傾いた身体が重なり、きちんと並んで正面を向く親子の肖像とは違う姿を見せる。
作品の見どころ
少女の白い服と女性の青緑の服には、長い筆の跡が残る。布の大きな明暗を追うと、膝にもたれる子どもと、その上で動く女性の手の位置が分かる。顔の細かな描写と衣服のゆるやかな描き方を比べたい。
二人の視線をそろえないことで、裁縫と休息が一つの画面に同居する。自然に出会った瞬間のように見えるが、絵のためにモデルがポーズを取った場面でもある。
制作背景
1900年の油彩。メトロポリタン美術館は、血縁のない二人のモデルを母と子として描いたと明記する。題名は描かれた役割を示し、モデルの身元の説明ではない。
収集家ルイジーヌ・ハヴマイヤーは1901年に購入した。同館は、彼女が子どものくつろいだ姿と、裁縫を続ける母親の自然さに注目したことを伝える。後に彼女の遺贈で同館へ入った。
出典・画像について
画像:Mary Cassatt《裁縫をする若い母親》/Young Mother Sewing, 1900年 — Mary Cassatt / メトロポリタン美術館 / Wikimedia Commons
Open Access/CC0。取得した全景を長辺2200px以内へ等比縮小。切り抜き・色補正・生成AI処理なし。
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