1900–1904年
61〜65歳頃

シャトー・ノワール

画家 ポール・セザンヌ
Château Noir / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
青緑の枝と岩の奥から、黄土色の建物がのぞく。建築を明るい風景の中心に置かず、深い色と閉じた空間の中へ包み込んだ晩年の風景である。

何が描かれているか

青緑の枝と岩が画面の大半を覆い、その隙間から黄土色の建物と暗い窓がのぞく。
空はわずかしか見えず、建物は木々の奥へ押し込まれている。

作品の見どころ

最初に建物全体を見せず、枝、岩、窓の断片をたどらせる。
緑、青、黄土色を何層も重ねたため、近景と遠景が簡単には分かれず、見る目が画面の中を探る。まず枝と岩の隙間に見える黄土色の建物を探し、次に暗い窓、青緑の木々へ視線を広げる。建物全体が一度に見えないため、目は断片をつなぎながら奥へ進む。緑、青、黄土色の層を近くで追い、少し離れて近景と遠景の境目がどの程度残るかを確かめたい。閉じた空間の密度が見どころになる。明るい壁の断片と暗い窓を交互に探すと、隠れた建物の大きさを自分の目でゆっくり組み立てられる。

制作背景

1900年から1904年の晩年作である。ナショナル・ギャラリー・オブ・アートは、1895年頃以後に色が深まり、空間が閉じるかし向と結びつけて説明する。
カンヴァスに油彩ゆさいで、同館所蔵。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート

出典・画像について

画像:Paul Cézanneシャトー・ノワール》/Paul Cézanne, Château Noir, National Gallery of Art, CC0.
画像の出典 / CC0 1.0 / NGA Open Access(画像情報:2026-09-08 確認)
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