『レヴェヌマン』紙を読む画家の父
画家 ポール・セザンヌ →The Artist's Father, Reading “L'Événement” / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
新聞を読む父を、暗い色と厚い絵具で大きく描いた。のちの明るい風景画とは違う、若いセザンヌの重く力強い画面を確かめられる。
何が描かれているか
黒い帽子をかぶった父ルイ=オーギュストが、大きな椅子に座って新聞を両手で持つ。
紙面上部には『L'ÉVÉNEMENT』と読める文字があり、背後の壁には小さな静物画が掛かる。
作品の見どころ
顔、衣服、椅子、壁を滑らかに整えず、厚い絵具と暗い色で重く作っている。
新聞の白と壁の小さな絵だけが明るく、座る父の大きさをいっそう強く見せる。まず新聞の白い長方形を見つけ、そこから父の帽子、顔、暗い衣服へ視線を移す。次に背後の小さな静物画と壁を比べると、明るい部分が限られていることが分かる。人物の気持ちや父子関係を表情だけから決めつけず、厚い絵具、重い椅子、身体の大きな形が画面に作る圧力を観察したい。
制作背景
1866年の初期作である。新聞と静物画を、画家になることへ反対した父への反抗と読む説明もあるが、所蔵館も可能性として示すにとどまる。
意図を確定せず、若い時期の力強い絵具の扱いを見る。カンヴァスに油彩で、ナショナル・ギャラリー・オブ・アート所蔵。
父への反抗という読みは推測です
新聞と壁の静物画を父への反抗の表明と読む説明がありますが、所蔵館も可能性として示しています。
出典・画像について
画像:Paul Cézanne《『レヴェヌマン』紙を読む画家の父》/Paul Cézanne, The Artist's Father, Reading L'Événement, National Gallery of Art, CC0.
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