顔の色の面と壁紙の模様が、どう響き合うかに注目してみましょう。
何が描かれているか
ひげを蓄えたセザンヌが、上半身を斜めに向けてこちらを見ています。背後にはオリーヴ色の壁紙が広がり、頭の左側には明るい青の帯が見えます。顔の片側が明るく、もう片側は陰に沈んでいます。
背景の菱形や星のような模様にも目を移してみてください。顔の輪郭のまわりで線が途切れ、丸い頭と直線的な模様が隣り合っています。人物と背景を別々に眺めるより、形の響き合いが見えてきます。
作品の見どころ
額や頬には、短い色の筆跡が重なっています。肌を一様に塗りつぶさず、明暗の小さな面で頭の立体感を組み立てています。青や緑も肌の近くに入り、背景や上着の色とつながります。
肩の傾きと、壁紙の斜めの線を比べるのも見方の一つです。目や耳の描き方を追うと、左右が単純な鏡写しではないことにも気づきます。
制作背景
所蔵館は、パリで1880〜1881年頃に描いた自画像としています。鏡を見て制作した可能性を挙げていますが、鏡の使用が資料で確定したとまでは述べていません。
風景や静物に見られる、色の小さな面を積み重ねる方法を、自分の顔にも試した作品として見ることができます。表情の意味を急いで決めず、顔と壁の境界から眺めてみましょう。
出典・画像について
画像:Paul Cézanne《自画像(オリーヴ色の壁紙)》/自画像(オリーヴ色の壁紙) — Paul Cézanne / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の忠実複製。複製の扱いは国・地域で異なります。
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