1900〜1906年頃
60代頃

青いポットのある静物

画家 ポール・セザンヌ →
Still Life with Blue Pot / J・ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス)
器の白は、紙の白でもあります。油彩ゆさいの静物とは違う形のつくり方を見てみましょう。

何が描かれているか

青いポットと白い器が、リンゴとともに卓上に並んでいます。色とりどりの布が垂れ、布の下には椅子の一部がのぞきます。ありふれた道具や果物が、色の重なりによって大きな存在感をもっています。
まず、中央の白い器と布を見てみてください。明るい部分には、塗り残された紙の白が生かされています。色の薄い場所から紙が透けて見え、油彩とは異なる、軽く開かれた空間になっています。

作品の見どころ

リンゴの輪郭りんかくには赤や黄色の弧が重なっています。中心まで同じ色で埋めないことで、丸みや光を感じさせます。一つずつの物を囲む線と色を追うと、形が少しずつ組み立てられていく様子が分かります。
布には細かな色が繰り返され、器の大きな白い面と対照をなしています。青いポットだけに集中せず、布、壁、果物のあいだで青や緑がどこに現れるかを探すと、画面全体のつながりが見えてきます。

制作背景

ゲティ美術館は1900〜1906年頃の作品としています。技法は黒鉛の線の上に水彩を重ねたものです。同館の展覧会解説は、布の色を何層も重ねる複雑な方法にも注目しています。
完成した油彩の静物と比べると、白い紙そのものも形をつくる材料だと気づけます。

作品情報

材質・技法
紙に黒鉛、水彩
所蔵
J・ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス)
目録番号
83.GC.221
位置づけ
晩年の水彩と紙の白を生かす静物

出典・画像について

画像:Paul Cézanne《青いポットのある静物》/青いポットのある静物 — Paul Cézanne / J. Paul Getty Museum
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-09 確認)
J. Paul Getty Museumの公式CC0画像。
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