1648~1650年
40代半ば頃

ラ・クレシェンツァの眺め

画家 クロード・ロラン →
View of La Crescenza / メトロポリタン美術館
想像上ではないローマ郊外の建物を小画面に描く。

何が描かれているか

木々と土地の向こうに一棟の建物が見える。ここで描かれたのは、ローマ郊外に実在したラ・クレシェンツァの館である。中世の要塞を田園の邸宅へ作り替えたもので、クレシェンツィ家に属していた。大きな神話の事件や聖書の人物は現れず、実際の場所を見たときの印象が画面の中心となる。ロランの理想風景と見比べたい小品である。

作品の見どころ

建物の形を追い、その周囲の木や地面の描き方を見てみよう。線や色面が生き生きとしており、戸外で素描そびょうした感覚を思わせる。ロランは実在の景色をそのまま写すだけでなく、画面の中で光と形の釣り合いを考える。だからこそ、場所が特定できるこの絵にも、見慣れた土地を少し離れて眺めるような静けさがある。

制作背景

メトロポリタン美術館は1648~1650年の作とし、ロランの油彩ゆさい画の中で実在の建物を描いた珍しい例と説明する。建物は現在も残る。同館はこの作品に、ローマ郊外で自然を調べた素描の即時性が感じられるとする。ふだんは古典の物語に合わせて景色を作る画家が、実際の一地点へ近づいたことが分かる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
メトロポリタン美術館(1978.205)

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Claude Lorrain《ラ・クレシェンツァの眺め》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-26 確認)
所蔵館提供のCC0画像。
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