何が描かれているか
川岸の手前で、二人が手をつないで踊っている。左には人々が集まり、右には牛や山羊がいる。対岸に目を移すと、丸い塔のそばに水車が見える。川は奥の丘へ続き、身近な集まりが広い田園の一部になっている。
国立西洋美術館にも同じ構図の版画があり、《川岸の踊り》という題名で紹介される。ここで掲載するのは、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの所蔵品である。
作品の見どころ
踊る二人の手から、近くの家畜、対岸の塔へと視線を進めたい。手前の輪郭は太く目立つ一方、遠い丘は細い線で描かれ、紙の白さが広く残る。
左の木の葉には小さな線が重なり、川面には横に走る線が並ぶ。同じ黒い線でも、向きと密度を変えることで、葉の茂みと水の平らな広がりが描き分けられている。
制作背景
エッチングは、金属版に酸で刻んだ線からインクを紙へ刷る技法である。館は原版の制作を1634年頃とする。実際にこの紙が刷られた年とは区別して考える必要がある。
掲載品の目録は第6ステートBと記す。版画は同じ構図でも版の状態や刷りによって違いがあるため、別の館の画像と比べる際も、所蔵番号を確かめたい。