1664年
60歳頃

魔法の城(クピドの宮殿の外にいるプシュケ)

画家 クロード・ロラン →
The Enchanted Castle (Landscape with Psyche outside the Palace of Cupid) / ロンドン・ナショナル・ギャラリー
一人のプシュケを、海辺の巨大な宮殿の前に置く。

何が描かれているか

ギリシア・ローマの物語に登場するプシュケが、海辺の宮殿の前で一人座っている。題名の「魔法の城」は、彼女が愛するクピドの宮殿を指す。右の水辺には小舟も見える。ただし絵が物語のどの瞬間を表すかは確定していない。クピドに会う前とも、別れた後とも考えられてきた。孤独な人物と巨大な建物の対比が印象に残る。

作品の見どころ

小さなプシュケから城へ目を上げると、人の姿に比べて建築がどれほど大きいか分かる。宮殿はローマで見られる建物に、円塔や遺跡を思わせる形を組み合わせたものだ。岩山、静かな入り江、遠い海が奥行きを作る。何が起きたのかを一つに決めず、人物の寂しさや期待を風景がどう支えるかを考えながら見たい。

制作背景

ロンドン・ナショナル・ギャラリーは制作年を1664年とし、注文主をロレンツォ・オノフリオ・コロンナと記す。同館は物語の場面について複数の解釈を示している。ロランは実際に見た建築と想像の形を混ぜ、壮大でありながらひっそりした場所を作った。晩年に近い時期にも、風景と物語の結び付け方を変え続けたことがうかがえる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ロンドン・ナショナル・ギャラリー(NG6471)

出典・画像について

画像:Claude Lorrain《魔法の城(クピドの宮殿の外にいるプシュケ)》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-26 確認)
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