水飲み場の家畜の群れ(版画)
画家 クロード・ロラン →The Herd at the Watering Place / メトロポリタン美術館
水を飲む家畜の輪郭と、水面に映る細い線を見比べる。
何が描かれているか
大きな木の下に家畜が集まり、牛が水面へ頭を下げる。左には杖を持つ人が立ち、右には山羊がいる。木の枝は画面の上を広く覆い、遠くの丘と建物は低い位置に小さく見える。手前の水飲み場が、風景を眺める入口になる。
水面には牛の脚や木の影が映っている。題名が示すのは、家畜が水を飲む日常のひとこまであり、ここでは特定の神話の人物として説明しない。
作品の見どころ
牛の背中をたどってから、その下の水へ目を移そう。身体の丸みには曲がった線が沿い、水面には横線と短い縦線が交差する。輪郭だけでなく、反射の線にも同じ形の手がかりがある。
木の枝と葉は細かな線を重ねて描かれ、遠い山には紙の白さが多く残る。近くの密集した家畜と、奥の空いた風景の差が、小さな版画の中に広がりをつくる。
制作背景
1635年のエッチングで、酸で線を刻んだ金属版から紙へ刷られた作品である。掲載品はメトロポリタン美術館の第3ステート、所蔵番号17.3.2037である。
クリーブランド美術館にも同じ構図があるが、そちらは第1ステートと記録される。同じ題名でも版の状態は異なる。制作年から、この紙が刷られた年までを決めつけないようにしたい。
出典・画像について
画像:Claude Lorrain《水飲み場の家畜の群れ(版画)》/The Metropolitan Museum of Art, Harris Brisbane Dick Fund, 1917
提供画像の全範囲を保って縮小し、JPEGで保存。色補正・反転・修復・拡大なし。原版の制作年と、この紙が刷られた年は区別しています。
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