何が描かれているか
人々が輪になって踊り、近くでは腰を下ろして祝宴を楽しむ。中央の切り株にある銘文によって、旧約聖書のイサクとリベカの結婚の場面だと分かる。後ろには水辺、製粉所、町が広がり、絵全体は静かな田園の眺めとしても見られる。別名の《製粉所》は、物語の人物より風景に目が向くこの絵の性格をよく表す。
作品の見どころ
踊る人々から奥の建物と水面へ目を動かすと、祝宴が広い土地に包まれていると分かる。遠景の製粉所は画面の目印になり、塔は対になる《シバの女王の乗船》にも通じる形である。人物は小さく描かれるが、陽気な身振りによって場面の中心が見つかる。現実のローマ周辺を思わせる要素が、想像上の平穏な世界へ組み直されている。
制作背景
ロンドン・ナショナル・ギャラリーによると、本作と《シバの女王の乗船》は1648年、ブイヨン公のために完成した。二点は「ブイヨンのクロード」と呼ばれ、港と田園、旅立ちと結婚という異なる場面を組にする。同館は1824年に二点とも購入した。銘文を読まなければ題材が分かりにくいほど、ロランは風景を大きく扱っている。