1641年頃(原版)
30代後半頃(原版制作時)

大きな塔のある港(版画はんが)

画家 クロード・ロラン →
Harbor with a Large Tower (Le Port de mer à la grosse tour) / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
塔と帆船が囲む海へ、岸で働く人々の姿から目を進める。

何が描かれているか

港の左端に大きな円筒形の塔が立ち、左右には帆船が停まる。手前の岸で人々が荷物を運び、その間を小舟が行き交う。中央の海へ目を進めると、船はだんだん小さくなり、遠くの陸地へ視線が抜ける。
港の眺めを描いたエッチングで、酸で線を刻んだ金属版から紙へ刷った版画である。スコットランド国立美術館にも同じ構図こうずの刷りがあるが、ここではワシントン・ナショナル・ギャラリーの所蔵品を掲載する。

作品の見どころ

岸の樽や人物から、船の船首、帆柱の上へ順に目を動かしたい。塔の曲面に沿う細い線と、船の縄の斜めの線が、建物と船の形の違いを伝える。
両端には線が密に集まり、中央の空と海は明るく開いている。塔と大きな船に挟まれた空間が広く見えるのは、この線の密度の差も手がかりになる。穏やかな港の油彩ゆさい画と見比べる楽しみもある。

制作背景

館は原版の制作を1641年頃とし、掲載品を第4ステートと記録する。制作年と、この紙にインクが刷られた年は同じ意味ではない。
所蔵品の紙は、版を押した跡の位置まで、また一部はその内側まで切り詰められている。ここでは提供画像の全範囲を残すが、失われた紙の余白や図柄を復元してはいない。

作品情報

材質・技法
紙にエッチング
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー(1994.47.1)
原版の制作年
1641年頃
版の状態(ステート)
第4ステート(6段階のうち)
掲載品の刷りの年代
確定しない

出典・画像について

画像:Claude Lorrain《大きな塔のある港(版画)》/Courtesy National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-02 確認)
提供画像の全範囲を保って縮小し、JPEGで保存。色補正・反転・修復・拡大なし。所蔵品の紙はすでに切り詰められており、欠けた余白は復元していません。原版の制作年と、この紙が刷られた年は区別しています。
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