1821年頃
45歳頃

ニレの幹の習作しゅうさく

画家 ジョン・コンスタブル →
Study of the Trunk of an Elm Tree / ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
樹皮の割れ目や光を、一本の幹に近づいて確かめる油彩ゆさい習作。

何が描かれているか

一本のニレの幹を、根元から枝の分かれ目まで大きく捉えている。中央の樹皮には縦に走る割れ目や細かな凹凸があり、両側では枝が木立の中へ曲がって伸びる。幹の背後に見える淡い空や明るい草地が、手前の木の厚みを引き立てる。遠くまで見渡す風景とは違い、ごく近くの自然が画面の主役になっている。

作品の見どころ

幹はただ茶色に塗られているわけではない。白っぽい筋、紫がかった影、黄緑の小さな色が重なり、粗い表面に当たる光を感じさせる。中央の細かな筆触と、背景の柔らかい葉の描き方を比べてみたい。根元から上へ目を動かすと、幹が少し傾かしく形や、枝が奥へ伸びる方向も見えてくる。

制作背景

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館は1821年頃の紙に油彩の作品とし、ハムステッドで描いた可能性を挙げている。制作場所は断定できないが、身近な木の形や質感を調べる習作として見ることができる。紙を使った油彩には、大きな展示用の絵とは異なる観察の距離があり、本作では樹皮そのものを確かめる面白さがある。

作品情報

材質・技法
紙に油彩
所蔵
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
目録番号
786-1888
寸法
30.6 × 24.8 cm

出典・画像について

画像:John Constable《ニレの幹の習作》/repro from artbook
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-10-01 確認)
忠実な二次元複製の扱いは国・地域で異なる。美術館・Art UK・書籍由来の写真の権利条件と原作品の保護期間を区別する。取得画像の全景と四辺を保持。紙の地、描かれた枠線、文字を残す。切り取り・透明化なし。長辺2400px以内に等比縮小(拡大なし)。色補正・生成AI処理なし。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

コンスタブルの手紙 英国自然主義画家への追憶
C・R・レズリー 著/ジョナサン・メイン 編/斎藤 泰三 訳 / 彩流社
友人レズリーの伝記とコンスタブル自身の手紙から、故郷の風景を描き続けた制作と思考を詳しくたどれる一冊です。
楽天ブックスで見る →