何が描かれているか
左右の大木が作る窓のような空間に、ソールズベリー大聖堂の高い尖塔が見える。
手前には牛がいる草地と小川があり、左下で司教ジョン・フィッシャーと女性が大聖堂を眺める。画面左下の司教は、木々の間に現れる大聖堂の方へ杖を向ける。草地、小川、牛という低い水平の要素に対し、中央の尖塔は空へまっすぐ伸びている。
作品の見どころ
暗い木の幹を左右に置き、中央の白い大聖堂と青空を明るく浮かび上がらせる。
枝が尖塔の周囲で開き、自然と建築が競うのではなく互いを引き立てる構図になっている。左右の幹と上部の枝は、尖塔を囲む大きなアーチのように働く。暗い木陰から明るい空と白い建築へ目を移すと、自然の中から大聖堂が現れる構成が分かる。
制作背景
メトロポリタン美術館は1825年頃の等身大習作とし、1826年に完成したフリック・コレクション版のために制作されたと説明する。
依頼は友人ジョン・フィッシャーの叔父であるソールズベリー司教から始まり、制作の途中で木の間を開き、明るい空を加えた。メトロポリタン美術館の作品は、1826年の完成版のための原寸大習作である。途中で樹冠を開き明るい空を加えた経緯から、現在の構図が最初から固定されていたわけではない。
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