1872年
76歳頃

人物のいる風景(ボヘミアンたち)

画家 カミーユ・コロー →
Landscape with Figures (Les Bohémiens) / メトロポリタン美術館
夕暮れの空の下、大きな木が画面の大半を覆う。

何が描かれているか

夕暮れの空の下、大きな木が画面の大半を覆う。そのそばに数人の人物と小さな焚き火があり、遠くの光は弱まっている。木と空をまず見せ、その後に人の集まりへ気づかせる風景画である。題名の「ボヘミアン」は、当時のフランス語ではロマの人々を指す場合もあった。ただし画面の姿から実在の特定集団の生活を記録したと考えるのは避けたい。

作品の見どころ

木の濃い葉と幹が右側に重く広がり、左奥の空には夕方の淡い色が残る。焚き火は小さな点で、人々の姿もはっきりしない。それでも暗い樹木と明るい地平の間に置かれることで、集まりの気配が伝わる。風景の広さと人物の小ささを比べると、話の細部より空気や時間帯を見せたい画家の関心が分かる。晩年の柔らかな筆触も目立つ。

制作背景

メトロポリタン美術館は1872年の作品とし、旅で見た自然をもとにしつつ、アトリエで組み立てた風景だと説明する。同館はまた、ロマの人々を移動生活と結び付ける古いイメージには不正確なものがあると注意する。絵の題名をそのまま現実の民族誌として受け取らないことが大切である。コローは76歳の頃も戸外で観察を続け、それを想像上の景色へ変えていた。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
メトロポリタン美術館(17.120.212)

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《人物のいる風景(ボヘミアンたち)》/The Metropolitan Museum of Art / Open Access
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-26 確認)
The Met Open Accessの公開条件に基づき掲載。
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