1836年(左奥は晩年に加筆)
40歳頃

ディアナとアクタイオン

画家 カミーユ・コロー →
Diana and Actaeon (Diana Surprised in Her Bath) / メトロポリタン美術館
木々に囲まれた水辺で、女神ディアナと仲間の女性たちが水浴びをしている。

何が描かれているか

木々に囲まれた水辺で、女神ディアナと仲間の女性たちが水浴びをしている。そこへ狩人アクタイオンが踏み込む。古代ローマの詩人オウィディウスが伝えた物語では、ディアナに水をかけられた狩人は鹿に変えられる。画面では人物が森の中に小さく置かれ、出来事は緑の濃い風景に包まれている。まず風景を見てから物語に気づくような構成である。

作品の見どころ

大きな樹木が上方を覆い、手前の水面と人物へ視線を落とす。葉の暗い緑に、肌の明るさや衣服の色が点のように浮かぶ。静かな木立の中で起こる突然の出会いが、神話の緊張を生む。左奥はほかの部分より銀色がかった柔らかな描き方で、画面全体の筆致が同じ時期のものではないことにも気づく。自然に見える森だが、人物を導くよう慎重に組まれている。

制作背景

メトロポリタン美術館は1836年の作品とし、左側の背景には画家が晩年に加筆したと説明する。所有者の求めに応じて死の前年に描き直したため、現在の画面には異なる制作時期が重なる。神話の主題を描いた初期の大作でありながら、後年の柔らかな色調も見える一枚である。単一の年代の作風を示す例として単純化せず、その変化を含めて鑑賞したい。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
メトロポリタン美術館(1975.1.162)

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《ディアナとアクタイオン》/The Metropolitan Museum of Art / Open Access
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-26 確認)
The Met Open Accessの公開条件に基づき掲載。
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