ディアナとアクタイオン
画家 カミーユ・コロー →Diana and Actaeon (Diana Surprised in Her Bath) / メトロポリタン美術館
木々に囲まれた水辺で、女神ディアナと仲間の女性たちが水浴びをしている。
何が描かれているか
木々に囲まれた水辺で、女神ディアナと仲間の女性たちが水浴びをしている。そこへ狩人アクタイオンが踏み込む。古代ローマの詩人オウィディウスが伝えた物語では、ディアナに水をかけられた狩人は鹿に変えられる。画面では人物が森の中に小さく置かれ、出来事は緑の濃い風景に包まれている。まず風景を見てから物語に気づくような構成である。
作品の見どころ
大きな樹木が上方を覆い、手前の水面と人物へ視線を落とす。葉の暗い緑に、肌の明るさや衣服の色が点のように浮かぶ。静かな木立の中で起こる突然の出会いが、神話の緊張を生む。左奥はほかの部分より銀色がかった柔らかな描き方で、画面全体の筆致が同じ時期のものではないことにも気づく。自然に見える森だが、人物を導くよう慎重に組まれている。
制作背景
メトロポリタン美術館は1836年の作品とし、左側の背景には画家が晩年に加筆したと説明する。所有者の求めに応じて死の前年に描き直したため、現在の画面には異なる制作時期が重なる。神話の主題を描いた初期の大作でありながら、後年の柔らかな色調も見える一枚である。単一の年代の作風を示す例として単純化せず、その変化を含めて鑑賞したい。
出典・画像について
画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《ディアナとアクタイオン》/The Metropolitan Museum of Art / Open Access
The Met Open Accessの公開条件に基づき掲載。
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