ヴィル=ダヴレーで薪を集める女
画家 カミーユ・コロー →A Woman Gathering Faggots at Ville-d'Avray / メトロポリタン美術館
細い木々が手前に並び、その向こうに池と対岸の家が見える。
何が描かれているか
細い木々が手前に並び、その向こうに池と対岸の家が見える。下の方には、薪を集める女性が小さく描かれる。同じヴィル=ダヴレーの池でも、《ヴィル=ダヴレー》より木の幕が厚く、景色を一度に見渡せない。女性の仕事は主役として大きく描かれず、池を眺める静かな風景の中に置かれている。身近な場所に人の生活を重ねた晩年の一枚である。
作品の見どころ
灰緑の木々と銀色がかった水面が近い色でつながる。幹や葉は輪郭がぼやけ、風に揺れた瞬間のように見える。木の隙間から家並みを探すと、画面の奥行きが少しずつ開く。女性の衣服の色は小さいが、落ち着いた色調に変化を与える。細部を明確に描くよりも、見る人の目が前景を通り抜けていく感覚を大切にした風景である。
制作背景
メトロポリタン美術館は1871~1874年頃の作品とする。コローの家族は1817年からヴィル=ダヴレーに土地を持ち、画家はこの池を繰り返し描いた。同館は、手前の木々がぶれて見える効果について、19世紀の写真から影響を受けた可能性を示す。ただし直接の証明としてではなく、表現の比較として扱うべき指摘である。繰り返した主題が毎回違う画面になることを示す。
出典・画像について
画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《ヴィル=ダヴレーで薪を集める女》/The Metropolitan Museum of Art / Open Access
The Met Open Accessの公開条件に基づき掲載。
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