広い風景の手前で、大きく描かれた裸婦がこちらを振り返る。人物と遠い景色の距離を見比べてみよう。
何が描かれているか
草の斜面に裸の女性が横たわり、肩越しにこちらを見る。身体は横へ伸び、足先まで見える。頭には葉を思わせる飾りがあり、下には斑点のある褐色の敷物、手のそばには丸い器が置かれる。
右奥には小さな人物たちと低い丘が続く。右端の木は枝を広げ、空には灰色と白の雲が流れる。身近な身体と遠い風景が、一つの画面に重ねられている。
作品の見どころ
明るい背中から、暗い地面と奥の丘へ視線を移してみよう。肌の明るさや身体の向きが風景の中で際立つ。小さな人物が点在するコローの風景画と比べると、主役の置き方が違う。
身体の線と、丘や雲が横へ続く線が響き合って見える。一方、振り返る顔は横に流れる視線を止める。題名の「休息」は、動作の少ない姿と周囲の静かな広がりを結び付けて読める。
制作背景
左下には「Corot 1860」の署名と年記がある。館は1860年作、1865〜1870年頃に加筆された作品として登録する。今見える画面を、1860年の一度の制作だけで完成したものとは考えない。
1861年のパリのサロンに出品された記録がある。サロンは当時の公的な美術展である。本作は、コローの仕事の中で、大きな裸婦を既存の衣装姿や物語画と比較する手掛かりになる。
作品情報
制作年
1860年、1865/1870年頃加筆(館の記録)
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー(2014.79.709)
出典・画像について
画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《休息》/Jean-Baptiste-Camille Corot / Corcoran Collection (William A. Clark Collection, 1926), 2014.79.709 / Courtesy National Gallery of Art, Washington / CC0
所蔵館のOpen Access対象画像(CC0)です。提供画像の全範囲を等比縮小して掲載しています。
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