1868年頃
72歳頃

コローのアトリエ――マンドリンを持つ女

画家 カミーユ・コロー →
Corot's Studio: Woman Seated Before an Easel, a Mandolin in her Hand / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
女性が眺める風景は、窓の外ではなく一枚の絵。人物画の中に風景画を置いた、コローのアトリエの場面。

何が描かれているか

長いスカートの女性が椅子に座り、イーゼルの絵を眺める。片手を絵の下端へ伸ばし、もう片方の手に持つ小さな弦楽器マンドリンは、衣服のひだに重なる。
左には女性を見上げる犬がいる。壁には小さな絵や彫刻、黒い煙突の管が見える。画中の風景には人々がいるが、題名や場所はここで確定できない。

作品の見どころ

肩の白、胴衣とスカートの緑、髪から垂れる赤いリボンを見比べよう。わずかな色の差が身体の向きや衣服の重なりを伝える。画中の風景は、周りの壁より明るく浮かび上がる。
女性の視線を追うと、私たちも風景画を眺める側に加わったように感じられる。人物を描いた絵の中で、風景を見る行為まで描く点に注目したい。

制作背景

館は1868年頃の板に油彩ゆさいの作品と登録する。コローは1865年頃から、アトリエを題材とする絵の一群を制作した。制作の場を写すだけでなく、人物や絵を組み合わせた表現として捉えられている。
風景画で知られるコローは、衣装姿の人物や裸婦も描いた。戸外の風景と並べると、実際の景色を観察する仕事と、室内で人物や絵を配置する仕事のつながりを考えられる。

作品情報

材質・技法
板に油彩
寸法
61.8 × 40 cm
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー(1942.9.11)

出典・画像について

画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《コローのアトリエ――マンドリンを持つ女》/Jean-Baptiste-Camille Corot / Widener Collection, 1942.9.11 / Courtesy National Gallery of Art, Washington / CC0
画像の出典 / CC0 1.0 / NGA Open Access(画像情報:2026-10-03 確認)
所蔵館のOpen Access対象画像(CC0)です。提供画像の全範囲を等比縮小して掲載しています。
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