細い木々の向こうに池が広がり、対岸の家並みが霞んで見える。
何が描かれているか
細い木々の向こうに池が広がり、対岸の家並みが霞んで見える。岸辺では一人の女性が身をかがめている。ヴィル=ダヴレーはパリ郊外の町で、コローの家族が土地を持っていた。画家はこの池を繰り返し描いたが、毎回まったく同じ景色を写したわけではない。身近な場所を何度も見直し、木の形や人の位置を変えながら風景を組み立てている。
作品の見どころ
空と水面は灰色がかった明るさでつながり、その間を木の枝が細かく横切る。枝葉の輪郭は蜘蛛の巣のように広がり、遠くの池を見せたり隠したりする。人物は小さく、強い出来事を語らない。枝の濃さ、池の淡さ、家の輪郭を順に追うと、単調に見える色の中に多くの段階があることが分かる。静けさは色数を抑えた組み立てから生まれている。
制作背景
メトロポリタン美術館は1870年の作品とし、同年のサロンに出品されたと記録する。最初は女性のそばに腕を広げた子どもも描かれていたが、後に消されたと考えられている。実在の池を題材にしながら、細部を選び直している点が重要である。初期のイタリア風景と比べると、土地の地形を明快に示すより、光と記憶のような雰囲気へ重心が移ったことが見える。
出典・画像について
画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《ヴィル=ダヴレー》/The Metropolitan Museum of Art / Open Access
The Met Open Accessの公開条件に基づき掲載。
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