イタリア中部テルニ近郊の大きな滝が、岩の上から勢いよく落ちる。
何が描かれているか
イタリア中部テルニ近郊の大きな滝が、岩の上から勢いよく落ちる。水は白くほどけ、左右の暗い岩や木々との対比でいっそう明るく見える。画面の上には遠くの山と空がのぞき、滝を単独の形としてではなく、周囲の地形と一緒に捉えている。小さな画面だが、自然の高さと水の動きを感じさせる。
作品の見どころ
白い水筋の輪郭は細かく固定されず、短い筆触が重なっている。近くの岩は濃い茶色、奥の山は青みを帯び、視線は滝から遠景へ移る。手前の陰と上方の明るさの差は、現地で光の変化を見ながら描いた習作らしさを伝える。壮大な名所を理想的に整えるより、その瞬間に見えた水と岩の関係を残した点が魅力である。
制作背景
メトロポリタン美術館によれば、コローは1826年の夏にこの滝を訪れた。古代に川の流れを変えて作られた場所で、自然と人の手による歴史が重なる。紙に油彩で描かれ、のちに板へ貼られた。こうした戸外の小品は当時サロンへ出さなかったが、翌年から公開する大きな風景画の制作に、現地で得た光や色の経験が生きた。
出典・画像について
画像:Jean-Baptiste-Camille Corot《テルニの滝》/The Metropolitan Museum of Art / Open Access
The Met Open Accessの公開条件に基づき掲載。
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